成多:いやはや、前回もひどい目に遭った…
(チーン…)
成多嘉智(なりたよしとも)
ライテック・ケムール公認プロ雀士。
競技麻雀団体RMUに所属するA級ライセンスプロ。麻雀はカロリー。
前回は巷のフリー雀荘にて腕を振るうも、華麗なデイリー最下位フィニッシュを決め、野に生えている草花を食べる羽目になった。
ポーカーのプレイスタイルはタイトアグレッシブ。スーテッドコネクター大好きっ子。
戸井田岳大(といだたけひろ)
ケムール・「麻雀飽満記」企画担当者。
競技麻雀団体RMUに所属するB級ライセンスプロ。
卓上では遠慮情けの無い後輩。麻雀飽満記内では畜生成分500%増しでお送りします。
「ケムール杯」「ケムールポーカートーナメント」の運営のボス。戸井田の上司にあたる。
編集部・S:さて…成多さんはどうしてこんな状態なのかな?
戸井田:第1回に引き続き前回もボロクソだったからイジけてんすよ。
成多:うう…1回ならともかく2連続で大敗北とは…このままではスポンサー様に見捨てられてしまう…
戸井田:こちらとしてもこんなに負け続けられても困るんですがねぇ…代わりに僕が打った方が良いのでは…?
成多:ぴえん…
編集部・S:まぁまぁ、結果は時の運ですから。
それに今回の企画はお待ちかねの”あの方”との企画ですし、心機一転気合いを入れて行きましょう!
(ピコン)
???:皆さん、お待たせしました。
編集部・S:おお!お待ちしておりました!
成多:お疲れ様です!この度はよろしくお願いします!木原プロ!
木原直哉(きはらなおや)プロ:はい、よろしくお願いします。
日本を代表するプロポーカープレイヤーの1人。
2011年にプロプレイヤーとしての活動を開始し、2012年のWSOP「ポット・リミット・オマハ・シックス・ハンデッド」にて日本人選手初の世界選手権優勝を果たす。
また、ポーカー以外にもバックギャモンや麻雀などにも精通しており、2020年には麻雀最強戦2020著名人超頭脳決戦などに参加するなど幅広く活動を行っている。
ケムール主催のポーカートーナメント「KPT」の監修もつとめる。
ケムールポーカートーナメント〜Road to WSOP〜の裏側 【1:始動】
編集部・S:この度は突然のご連絡にも関わらずご協力を頂き、誠にありがとうございます!
成多:本当に突然突撃してしまいましたからね…
でもKPT(ケムール・ポーカー・トーナメント)※の企画を成功させるには木原さんのお力が不可欠であると考えまして…
本当にありがとうございます!
【第一回 KPT(ケムールポーカートーナメント)】2022年初旬|「WSOP」メインイベントへの出場サポート(12,000ドル=約140万円)をかけたポーカートーナメント
木原:いえいえ、日本でプロプレイヤーが本気を出して参加する価値のあるポーカーイベントをやるという事であれば、協力は惜しみませんよ。
それに、私としてはこちらの麻雀企画の方も楽しみにしていました。
編集部・S:はい、木原プロが麻雀をお好きだというのは私共も存じ上げております。
現在こちらの成多プロがケムールにて麻雀企画の連載を行っている事もありまして、是非木原プロには麻雀の方にも携わって頂けたらと思いまして、こうしてお声かけさせて頂いた次第です。
成多:実は木原さんにお声かけを、となった時から木原さんとお仕事がしたいとお願いしておりまして…この日が来るのを心待ちにしておりました!
木原:それは嬉しいですね、自分自身もポーカーを始める前から麻雀はやっていて、ポーカーに負けず劣らずガチ勢であるという自負もあります。良い企画に出来るように頑張りましょう。
成多:はい!よろしくおねがいします!!
ダブリング17歩
編集部・S:さて、せっかく木原さんにも参加してもらうという事であれば、ただ普通に麻雀を打つだけというのはいささかもったいない気もしますね。
戸井田:そうですねぇ、いくつか案をご用意してきましたが、木原プロどれか気になるものなどありますでしょうか?
木原:ふむ、1つの記事にする関係上あまり複雑すぎるものだと読む側が疲れてしまうと思いますし、そういう意味で「17歩※」なんてちょうどよい気がしますね。
【17歩】とは?
麻雀牌を用いた2人用ゲーム。
互いに目の前の山を用いて手牌を構築し、完成後1打づつ交互に打牌をおこなっていく。
成多:17歩、いいですね!異業種プロ同士で本気で17歩で対戦なんてめちゃくちゃ熱いと思います!
戸井田:ルールの面でもかなりの知名度があるかと思いますし、記事を閲覧する側もとっつきやすいかもしれませんね。
編集部・S:しかし、ただの17歩では少々ヒキが弱いというか…せっかく木原プロに参加していただくのであれば、その必然性が欲しいですね…
成多:うーんそうですねぇ、追加ルールみたいなのを入れてみても良いとは思いますが、何分私は麻雀慣れしすぎていて新鮮味のある意見が出せるかどうか…
木原さん、何か面白いアイデアなどお持ちでないでしょうか?
木原:ふむ、それでは「ダブリングキューブ」などはいかがでしょうか?
戸井田:「ダブリングキューブ」?どういったルールなんでしょうか?
木原:これは「バックギャモン※」というサイコロを用いたゲームのルールで、簡単に言うと各プレイヤーは自分の手番の前に、そのゲームの得点を倍にする「ダブル」というものを提案することが出来るというルールです。

サイコロを利用したボードゲームの一種で、盤上に配置された双方15個の駒をどちらが先に全てゴールさせることができるかを競うゲーム。
木原:この「ダブル」を相手プレイヤーが受諾することで、そのゲーム間での得点のみ通常の倍として扱うというものなのですが、面白いのはこの「ダブル」は2回目以降も有効であるという事です。
「ダブル」を受けたプレイヤーは、自分の方がより優勢であると判断した場合は「ダブル」の「ダブル」…つまりゲームの特典を4倍にしてやり取りするという提案を行う事が可能になります。これはダブルを受けた側のみの権利です。
編集部・S:おお、どんどん倍々ゲームになっていくんですね…ちなみに提案を断った場合どうなるのでしょうか?
木原:その場合はゲームは終了となり、「ダブル」を提案した側の勝利となります。通常バックギャモンでは有利側のプレイヤー側から提案され、劣勢側のプレイヤーがそれを受けるための勝率が自分に残されているかを判断するといった形で進められることがほとんどです。
戸井田:なるほど、17歩に落とし込むにはどのようにしたらよいでしょうか?
木原:各プレイヤーが自分の打牌前に任意で「ダブル」を提案できるようにすればよいと思います。断った場合は罰符として点棒を渡すという感じで良いかと思います。
編集部・S:面白そうですね!ただの17歩と違って人と人とのやり取りが増えますし、そういった要素は木原さんの得意とする所かと思いますので、追加要素としてはピッタリかと思います!
成多:追加ルールが増えたとはいえ麻雀牌を使ったゲーム、麻雀プロとしては負けられないですよ!
木原:それは楽しみです。麻雀のプロというわけではないですが、自分も麻雀には一家言あります。良い勝負が出来る事を期待してます。
戸井田:お二人とも気合十分ですね!
編集部・S:ルールの詳細に関してはこちらでまとめてさせていただきます。
それでは、当日はよろしくお願いします!
木原・成多:よろしくお願いします!
【ルール】
・点数の計算は飜数によって行い、常に4飜(4点)縛りとする。
・0点開始で先に50点に到達したプレイヤーの勝利(原点なし)
(裏ドラなどの偶然役による達成も可とするが、点数確定時に4飜未満であった場合、罰符として4点を支払うものとする)
・場風は常に東、先手のプレイヤーを東家、後手のプレイヤーを西家としてゲームを行う。
・ドラは先手プレイヤーが利用していない山の任意の個所を開くことで決定する。
・リーチ時の和了牌の見逃しは可とするが、フリテン扱いとしその後の和了は禁止。
・非リーチ時は任意の和了牌での和了が認められるが、リーチの1飜は加算しない。●ダブリングキューブ
・木原プロからの提案で、バックギャモンのルールより追加。
・各プレイヤーは自身の打牌前にダブルを宣言することで、その局の和了点を2倍にすることが出来る。この効果は相手プレイヤーにも適用される。
・ダブルを受けたプレイヤーはその時点でオリを宣言し、4点を支払うことで局を終了することが出来る。
・ダブルを受諾した場合、宣言した側のプレイヤーの打牌から局を再開する。
・2回目以降のダブルは前回ダブルを受けたプレイヤーからのみ行う事が出来、
現在の倍率×2倍の点数として和了点を計算する(1回目のダブルにダブルを返した場合、2×2でその局の点数は4倍で計算する。3回目の場合4×2で8倍)
収録当日
編集部・S:というわけで、収録当日でございます。
成多:おはようございます!本日はよろしくお願いします!
木原:よろしくお願いします!
戸井田:ルールはこちらになります。(※上記ルール表参照)
木原:ふむふむ…
承知しました、終了ポイントの50も丁度良いかと思います。私からは特に質問などはありませんが…
成多さんのご準備はよろしいでしょうか?
成多:問題ありません!一流ポーカープロの麻雀の腕前、学ばせて頂きます!
木原:それでは…
成多:いざ尋常に!勝負!
対局開始!第1ステージ!
Round:1
【1巡目】
木原:さて、まずはお試しで「ダブル」ですかね。
成多:むむっ、早速ですか。
(流石に勝負師、開幕からゴリゴリとダブルを打ち込んでくる。
ポイントの吊り上げなんていうのは得意中の得意だろうし、麻雀にはこういったシステムがないからいまいちまだ感覚が掴めないな…安牌はそれなりに用意できてるけど、4点縛りのせいで手牌は愚形…このままダブルを受けたとして、和了まで行きつくかは微妙なところだな…
――それに安牌があるっていっても、それも序盤だけの話。後半無筋を打つことになるだろうし、それならこの局は…)
成多:…オリます。4点どうぞ。
木原:おや、降りですか。
成多:待ちが良くないもので…木原さん、どんな手が入ってたんですか?
木原:こんな感じですね(パター
成多:(役満やんけ!!!!!!あぶねぇえええええええ!!!!!!)
戸井田:はー、そこでダブルで刺さって取れ高確保できんかねしかし…
成多:^^#
Round:6
木原:16pt
【1巡目】
成多:むむむ…押されっぱなしはまずい…どうにかこちらからも押し返さないと…
木原:ダブルです(チャリン
成多:(全然攻勢が緩まない…でもこのまま押されっぱなしも良くない。
――待ちが良いかと言われると怪しいけど、相手の対子落としを捉えたりすることもあるかもだし、ここは押し返す!)
こちらも打ち返します!4倍です!
木原:む、4倍ですか。受けましょう。
【4巡目】
成多:さて、とりあえず東の3連打をしたけども…(ここから先は安牌という確証の無い牌ばかり…
しいて言えば8mの壁で9m?しかし17歩は出上がりしかない関係上捨て牌に細工をすることは日常茶飯事なわけで…うーん)
成多:いやしかし、私は木原さんが人を騙すような方ではないと思いますので!木原さんは心の清らかな方だと信じておりますので!!!!
木原:^^(ニッコリ)
成多:^^ (9mポイー
木原:ロン!リーチ平和純全帯三色!7点は4倍で28点!
成多:ほげえええええええええええええええええ!?!!?!?!??!!
編集部・S:おおー!その河から純全帯三色とは!
木原:いやぁ、プロ相手にここまで見え見えの釣りが通用するとは思っておりませんでしたねぇ^^
戸井田:出るかねしかし~^^
成多:^^####
…その後、特に波乱もなく、木原プロが勝ち切り勝利となりました…
対局終了
(チーン)
木原:54pt
戸井田:さすが木原プロ!完勝ですね!
木原:ありがとうございます、ツイてましたね。
編集部・S:いえいえ、ダブルを仕掛けるタイミング、相手の手牌構築に対する読み、どれも感服いたしました。
成多:(ピクピク….)
木原:さて、対局も終わりましたし、本日の収録はここまでという事で…
成多:き、木原さん!少々お待ちください!!!!
木原:あれ?もう勝負は終わったはずでは?
成多:このまま3連敗で終了ではスポンサー様に顔向けできません!どうか、
どうか私めに汚名返上の機会を頂けませんでしょうかー!!!
木原:うーん…弱りましたねぇ…特にそのような話は伺っていなかったんですが…(ニコニコ)
成多:オネガシャス!!!!オネガシャス!!!!!!!
編集部・S:まぁ、成多さんにも麻雀プロとしての面子といったものもあると思いますし…どうでしょう、ここは泣きの1回という事でひとつ…
木原:そうですねぇ、今日はまだ時間もありますし…いいでしょう、お付き合いしますよ。
成多:ありがとうございます!!!!ありがとうございます!!!!!!!!!
泣きの1回!第2ステージ!
【Round1~6】…流局。
Round7
木原:0pt
戸井田:今回はなかなか点数が動きませんねぇ。
編集部・S:成多さんもダブルっていう新しいルールに少しづつだけど慣れてきたみたいだし、これは時間がかかるかもな…
成多:(キツイキツイキツイキツイ!何なの対面の人カッチカチやぞ!小細工入れても手広くいってもまるで刺さらん!守備力で劣っている分巡目が長引けば長引くほど不利になる!なんなんだこのゲームは!
――しかも今回の手、南を安全牌として残そうと思うと片和了の平和三色くらいしかできることが無い…どうする、南使ってメンホン一通とかの方が…。でも守備で劣る以上ほぼ確実に3巡凌げる南の刻子を手に組み込むのは惜しい…、ここはなんとか粘ってこの手でアガリに持っていくしかないか…)
木原:準備は良いでしょうか?では始めます。
【6巡目】
成多:(河を見ていると、既に木原さんは字牌ではなく複数持ちの19牌を切り出し始めている…おそらくこの後から字牌の塊が出てくることはない、むしろ別色の19牌の塊か、河に置かれた牌の筋の塊が出てくるはず…ここで勝負だ!)
ダブルです!
木原:…受けましょう。
【9巡目】
木原:…うーん…
成多:(どうだっ…?)
木原:仕方がない、かなぁ(パシッ)
成多:(!)ロン!
リーチ平和三色裏!5点はダブルで10点です!
編集部・S:おお!今回先手を取ったのは成多さんでしたか!
戸井田:意外だ…
成多:よしよしよし!この調子で行くぞ!
木原:……………
Round9
木原:0pt
成多:(………ってまたこんなんかーい!でも高めはさっきより大物だ!)
木原:先手取られちゃいましたんでね、ダブルです。
成多:受けます!そして…
成多:安牌のなくなった頃合いを見計らい、お返しの4倍ダブルです!
木原:!4倍ですか…
…受けます…
成多:(さぁ、もう手の内に字牌の安牌はないでしょう!)
ここでリーチします!
木原:む…
【14巡目】
木原:参りましたね…もう安牌が…
(自分が索子を厚く持ってる分…)
うーん、これかなぁ…
成多:ロン!リーチ平和純全帯三色!7点は4倍で28点!
木原:0pt
編集部・S:おお!これは!
木原:…やられましたか。
次局、次々局も成多が和了きり、第2ステージは成多・麻雀プロの勝利!
木原:0pt
成多:いよっしゃあああああああああああああああ!!!!!!!!!
戸井田:バカな…!?成多さんが勝つ…だと…!?
編集部・S:おおー!泣きの1回で見事勝利!プロの意地を見せましたね!
成多:いやー、第3回にしてようやく見せつけてしまいましたなぁ…
これがプロ雀士の実力…ってコト????
編集部・S:(めっちゃ調子に乗ってる…)
成多:さーてこれで麻雀プロの面目躍如という事で、気持ちよく収録終了という事で…
木原:…(ピッ、ガラガラガラ、ウィーン)
成多:あれ?き、木原さん…?
木原:…まだ1対1です。当然、最終戦もやりますよね?
成多:アッハイ。
戸井田&編集部・S:(木原プロ、思ったより熱い人なんだなぁ…)
成多:まぁ、ここまで来て引き分けもないでしょう!きっちり白黒つけて見せましょう!よろしくお願いします!
木原:よろしくお願いします!
最終ステージ!真の勝者はどちら!?
(記事企画のはずがいつの間にか口数も減りガチンコ勝負の様相を呈し始める…)
Round1
【3巡目】
成多:(メンホン小三元!早速勝負手が入った!これを和了きれば最終戦も一気に持っていける!)
木原:ダブルで。
成多:(――どうする?打ち返すか?でも現時点で9点は18点、それにあくまで待ちはシャンポンで相手が持っていないことも往々にしてあり得る。ここはそのまま2倍維持で行くのが得策か)
…受けます。
【16巡目】
木原:うーん…そろそろ切る牌が…
成多:ロン!リーチメンホン小三元赤!9点は18点です!
木原:うーむ、はい。
成多:(良い感じ!最初の一手を取ったのは大きい!このまま最後まで走り切る!)
Round4
木原:4pt
【1巡目】
成多:先手頂きます、リーチ!
(タンヤオの4面張!待ちの種類は良くはないけども、とりあえずは広さ優先!このままのペースで行けば勝てる! ――木原さんは今日は1日通して積極的にダブルを打ち込んできている。この局面でもおそらく頭からダブルを打ち込んでくるはず…)
木原:…(パシッ)
成多:?あれ、木原さん、ダマですか?ダブルとかは?
木原:大丈夫です、今はまだ。
成多:?わかりました。
(うーん?待ちが悪いのかな?でも悪いとしたら見逃しとかをかける理由もないし、少なくともリーチはするのでは? 役満クラスの超高打点?だとしても今回のルールは役満は13点、20点以上のビハインドを抱えてる状態でダブルしない理由はなんだろう?)
【5巡目】
成多:(結局ここまで動き無し。見逃しリーチ狙いとかかと思ったけどそういうわけでもなさそうだな…)
まぁ、とはいえリーチもダブルも入ってないなら、今のうちに切れる物は切っておきますか…1枚でプラプラ浮いてる数牌を先に…)
木原:こうじゃないと、この手は和了れないもので。
成多:!?
木原:ロン。タンヤオ三色ドラで4点です。
編集部・S:なんと!その待ちをダマテンですか!
戸井田:これは渋い…!
木原:リーチでもダブルでも、ドラの3sや6sなんてそうそう顔を出すことはありませんから。
そのために出和了を出来る7sまで和了れなくするのは損でしょう?
成多:(確かにそうだ。仮にリーチでもダブルでも、自分は少なくとも5sや7sを打つことはなかっただろう…
この手順が唯一、この局あの手で和了をもぎ取れる手順…!)
戸井田:これは、やらかしましたね。
成多:(勝手に深読みして順当に切っていれば刺さっていない牌で放銃…感覚的なものはあまり信じているわけではないけど、これは、冷える…!)
Round15
木原:44pt
成多:(結局あれから徐々に押し返されてこんな点差に…)
編集部・S:ですが、ダブルさえ使えば実質あと7点差…!ワンチャンスでひっくり返ります!
木原:そうですね、しかし、それはこちらも同じ。――長い1日でしたが、そろそろ終わりにしましょう。
【1巡目】
成多:(赤含みのメンホン…これで決めきることはできないかもしれないけど、残り6点の木原さんに対してダブルをしなかったところで、既に条件を達成されてしまっているかもしれない…、ここは勝負!)
成多:ダブルです!
木原:受けましょう。勝負です。
成多:(これで相手は和了れる聴牌であれば100%条件達成、この局は和了しか許されない…!ここはリスクを取ってでも、手牌からこの西と北、引きずり出して見せる!)
成多:ふん!ふん!!ふん!!!(生牌字牌3連打)
編集部・S:おお…成多さん強気ですね…!
成多:勝負どころですから!勝ちたいので!
木原:…(パシッ)
【13巡目】
成多:(な、なぜ…なんで字牌が西と北だけ出ない…!――安全牌になるパーツを手牌に組み込んでしまっているせいで、手の内にはほとんど無筋しかない…こんなに長引く前に勝負を決めたかったのに…!)
成多:もう、これしか切る牌が…ない…
木原:ようやく、出ましたか。
成多:あっ…
木原:ロン!清一・一通・一盃口!9点は18点!
成多:おんぎゃあああああああああああああああああ!!!!!!!
戸井田:き、決まったあああああああああああ!!!
編集部・S:う、美しい…ハッ!
木原:これで50点超え、私の勝ちですね。
成多:う、うぐぐぐぅ…参りました…
木原:62pt
対局後
成多:うう…負けてしまった…
木原:ギリギリでしたが、何とかなりましたね。
成多:最後は和了をもぎ取る為に歯を食いしばって字牌を並べましたが、綺麗に西北は止められてしまいましたね…参りました…
木原:うーん…そこについては、「沢山字牌を打ってくれたから」助かったところはありますね。
成多:…と言いますと?
木原:確かに私の手元には孤立の字牌がたくさんありました。
何もなければ切るならオタ風からになったと思います。
が、今回は先んじて役牌を打つ事が出来たので、わざわざ西や北を打つ必要がなくなってしまったんですよね。
成多:なるほど…
木原:そして何よりも…
成多:何よりも…?
木原:成多さんは今日、1日通して1度だって孤立の字牌のバラ切りなんてしてきませんでした。そんな人がこの局面で急にリスクを無視して字牌をバラ切りしてくる..
その河からは、口に出すよりも鮮明に、
「字牌を打って欲しい」
という思いが、私には聞こえていましたね。
成多:…完敗です。対局、ありがとうございました。
木原:ありがとうございました!
第3回麻雀飽満記、ダブリング17歩編
勝者!
ポーカープロ
木原直哉!
木原プロ、対局ありがとうございました!
反省カロリー
成多&戸井田&編集部・S:お疲れ様でーす。
編集部・S:いやー色々ありましたがなんとか収録終わりましたねー。
戸井田:そうですねー、木原さん強かったですねー。
成多:うう、あそこでああしておけば…うう…
編集部・S:まぁまぁ成多さん、1仕事終わったことですし、とりあえず飯でも行きましょう。
成多さんには木原さんとのコネクション作りから色々とご協力いただきましたので、今回は運営側からの奢りということで、心ゆくまでナイスカロリーをご堪能ください。
成多:マジっすか!?!?!?!?ゴチになります!!!!
【~カロリー摂取中~】
成多:うめっ…うめっ…(カウカウカウカウ)
戸井田:良かったんですか?確かにいい勝負ではありましたけど、結局今回の企画も結果的には負けでしょう?しっかりとバッドカロリー食らわせとくべきでは?
編集部・S:負け続けで気落ちしてしまって普段通りの麻雀が打てなくなっちゃったら良くないしね、たまには息抜きも必要だよ。
戸井田:うーん、気落ち、ですかぁ…
成多:えっ?何か言いました?(パクパクモグモグ)
戸井田:…この調子だし、気にしないで良いんじゃないですか?
編集部・S:う、うーん?そうかも?汗
木原直哉プロ監修のポーカートーナメントを開催します!乞うご期待🙇
▶【第一回 KPT(ケムールポーカートーナメント)】2022年初旬|「WSOP」メインイベントへの出場サポート(12,000ドル=約140万円)をかけたポーカートーナメント
▶ケムールポーカートーナメント〜Road to WSOP〜の裏側 【1:始動】